「つまり、床の矢印は、時計の短針を表しているんだ。
それで鍵への道のりは、短針ではなくて長針のほうを
たどって行かなければならない」
「時計、ねぇ…」
「その時計が1時間ずつ進んでいくとすると、
部屋は四角いから、1時ではまだ同じ壁を指しているけど、
2時になると、こんどは左の壁を指すんだ」

「0〜9時までまとめると、こうなる」
0、1時 … 短針と同じ向き
2〜4時 … 短針の左向き
5〜7時 … 短針と反対の向き
8、9時 … 短針の右向き
「で、たどり着いた10時の部屋が鍵の場所なんだけど、
それがどこかというと…」
俺はジュナを連れて、正解の道筋を進んだ。

「あ! 元の場所に戻ってきちゃった」
「この部屋に変化がないとすると…」
「はしごの上かしら」
「そういうこと。さぁジュナ、はしごを上るんだ!」
「シュウが先に行きなさい」
「…はい」
はしごの上は、扉の行き止まりとは違う、小さな部屋だった。
ぽつんと置かれた箱の中に、目的の鍵はあった。
「やるじゃん、シュウ」
「まぁね」
「ちょっと…見直しちゃったかも」
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